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羽生永世七冠の偉大さを、わかりやす~~~~~~く説明することにトライしてみました。

公開日: : スポーツ, エンターテインメント

 

羽生善治19世名が「永世七冠」を獲得した。と、一行で書けば書けるこの偉業。でもこれ、偉業なんていうコトバでは軽すぎるくらいの、エゲツナイ偉業である。どれぐらいエゲツナイかというと、エゲツナイというコトバをこのブログの見える部分全部に書き連ねても、まだ足りないくらいの偉業だ。

 

今年の流行語大賞候補の「ひふみん」も、今年に将棋ブームを巻き起こした「藤井フィーバー」も、これに比べればホントにどこかに霞んでいって見えなくなるほどの偉業。

この偉業を、将棋を知らない人に何と伝えたい!そう思ってこのネタを書いています。(尚、以降出てくる羽生善治という存在をどういう名称で書こうか?と、いろいろ悩んだ結果「羽生永世七冠」という称号で統一するね。たぶん誰も異存ないと思うし)

 

そもそもワタクシ「読裏クラブ」は、知っている人は知っているが、知らない人は全然知らない・・・というぐらいの将棋ファン。今でこそ毎日曜は仕事が忙しく見ることが出来ないが、その昔は日曜の午前は必ずNHKの教育テレビを見ていたもの。

 

それでは、敢えてこの冒頭の掴み部分で、この偉大さを、ブログいっぱいにエゲツナイという文字を書き連ねず、ワタクシの叡智を大結集して表現してみると。。。こうなります。

 

【プロ野球で言えば「本塁打王」と「首位打者」と「打点王」と「盗塁王」と「最多勝利数」と「最優秀防御率」と「最多セーブ」を5年連続獲った】みたいなもの。

 

いや、そういう表現よりは【プロ野球で言えば、ペナントレースと交流戦とCSと日本シリーズが、年に7回重複して行われて、そのすべての戦いで年に7度優勝したことを、7年連続続けた】みたいなもの。

 

いや、それでもちょっと物足りない。サッカーで言えば【J1リーグと、天皇杯と、ルヴァンカップと、ACLと、クラブワールドカップを5年連続優勝した】みないなもの。

 

いや、それでもまだ足りない!ので、例えばプロ野球とJリーグを同一のクラブが持っていて、それが仮に『読裏クラブ』という組織だとしたら、この羽生永世七冠達成は、【『読裏クラブ』が、ペナントレースと、交流戦と、CSと、日本シリーズと、J1リーグと、天皇杯と、ルヴァンカップと、ACLと、クラブワールドカップを7年連続で優勝した!!】みたいなもの。

 

そんな!いくら何でも大袈裟だよ!と、おっしゃる御仁。それはそれで当然です。ですが、この喩えが全然大袈裟でないことをこれから説明しよう!と思います。さぁ、心の準備はいいですか?(苦笑)
そもそもこの将棋の世界、いわゆるプロという存在は約140人いる。最近でこそアマチュアの優秀者がプロに編入するコースも開かれ(それでも難易度はメチャメチャ高いが・・・)このプロになるためには、まずは「奨励会」という独特の将棋連盟が司る組織に入り、日々毎日のように「リーグ戦」を戦いある一定の戦績を残さないとプロになれませんのです。

 

そしてこの「奨励会」に入ればプロの道が保証されるか?というと、とんでもはっぷん!ぜんぜんそんなことはなくて、ここは年齢制限があり、その定められた年齢までに基準の昇格を果たさなければこの奨励会を退会しなくてはならない。つまり「プロの道を諦めねばならない」という、厳しい世界。

 

そんでもってまたついでに言うと、この「奨励会」という組織に入ろうとするには、小学生かどんなに遅くても中学生ぐらいでのアマチュアの大会で(つまり、各地で行われる小学生の将棋大会みたいなやつね)優勝するのは当たり前!そんな実績と戦績をもって、プロ棋士の推薦がないと入ることも出来んのです。

 

羽生永世七冠という偉大さを説明するのに、なんでここまでクドクド書いているのか?っちゅうと、つまり、「プロの棋士になっているのは、そんじょそこらの将棋好きではなくて、小学生から天才と呼ばれた人間達が、その青春時代を閉鎖的な奨励会という世界で、将棋オンリーの生活にどっぷり浸かりながら、その才能を恐ろしい努力で鍛えまくった人間達」ということを説明したかったから。

 

そんな「天才の140人」が己の将棋の叡智を全て注ぎ込む公式戦。それが7大タイトルと呼ばれる大会なんです。

 

念のために、ちょこっとだけこのタイトル戦をご紹介しておこう。
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■名人戦。毎日新聞と朝日新聞の主催。一番長い歴史を持つ。A級順位戦の勝者と現王者との7番勝負。将棋界の最も栄誉あるタイトルだ。

 

■竜王戦。読売新聞社主催。九段戦や十段戦などの数度の改称により現在のタイトルに。賞金は最高額で、現在名人タイトルと並んで格式的にも将棋界の最高位を持つ。独特のランキング戦という予選を行い(これもまたかなりエゲツナイ戦いだが)、その優勝者が現竜王に7番勝負で挑戦する。

 

■王位戦。北海道新聞、中日新聞、西日本新聞のブロック紙の3社連合主催(のちに神戸新聞と徳島新聞も参加)サッカーのワールドカップのような8つの予選グループのトーナメントを勝ち上がった8名に、4名のシード12名が2つのグループに分かれて6名のリーグ戦を行い、グループトップの戦績者同士が決勝を戦い、見事その試合に勝ちぬけば、晴れてその年の挑戦者となり現王位とのタイトル戦を争う。7番勝負。

 

■王座戦。日本経済新聞社主催。シードの有無など詳細は割愛するが、バクっというと、1次予選と2次予選を勝ち上がった棋士16名がトーナメントを行い、その優勝者が現王座と5番勝負のタイトル戦を行う。

 

■棋王戦。共同通信社主催。前身の最強者決定戦から数えると50余年の歴史を持つ伝統のタイトル戦。ここの予選もまたキツイ。まずかなり大掛かりな予選トーナメントを実施。その後いわゆる「決勝トーナメント」のような「挑戦者決定トーナメント」というものを実施するが、これが「敗者復活制」を採用。で、負けても再挑戦できる権利が残されているということは、当然勝ってもまだ負かした相手が再び臨んでくるという、かなりの長丁場。ようやくなんとか、ヘトヘト状態で優勝して、はじめて現棋王とのタイトル戦を戦う。5番勝負。

 

■王将戦。スポーツニッポン新聞社・毎日新聞社主催。一般的な感覚としては、名将としては名人戦と並ぶ一番将棋のタイトルらしい大会名ではないだろうか?この大会も70年弱の歴史を持つ。この大会も独特の予選方式をとっていて、1次予選を勝ち抜いたプロ棋士が2次予選から待ち受けるプロ棋士と18名でトーナメントを実施。その予選通過者3名と、ここから参画するシード者4名の7名で総当たりのリーグ戦を行う(これだけでも6試合!)ここで優勝者となって、ようやく前年王者とのタイトル戦に出場できる。タイトル戦は7番勝負。

 

■棋聖戦。産経新聞社主催。持ち時間が非常に短いのが特徴で、それもそのはずこの大会の前身は早指し王位決定戦だった。その後王位戦から分かれて同タイトル戦となるが、この大会も結構独自色を鮮明に打ち出して、タイトル戦の中では唯一の前・後期制を採っていたりして予選もかなり複雑。現在は、一般的な1次・2次予選後の決勝トーナメント方式を採っているが、この大会の伝統である早指しは生きていて、1次予選なんかは1日に2局やることも。。。タイトル戦は全国の旅館やホテルを転戦する運営を早くから実施(ええよなぁ~。将棋の世界で最も羨ましいもんの一つが、この全国の旅館やホテルを試合会場にすることやね。ま、タイトル戦に臨む棋士は、温泉に浸かって、ビールで「プハァ~」なんてやらんのやろうけど)

 

あかん。ちょこっとだけ、ダイジェストでタイトル戦を紹介するつもりが、つい熱くなってしまってこんなに文量が増えてしまった。。。

 

要はここで言いたかったのは、このタイトル戦の決勝番勝負に出場するのが、どれだけ「狭き門」であるか?ということを説明したかったから。サッカーのワールドカップの予選の比やないんよ。

 

プロの棋士になった以上、このタイトルを1期か2期獲っただけで、そらもう充分なわけですわ。その雰囲気をこの大会の予選の長さとエゲツナサで感じて欲しかったわけでね。あ、これも何度も言いますが、そのエゲツナイ予選に参加しているのは、子どもの頃から「将棋の神童」と呼ばれた天才たち140人強ということやから。

 

さて、羽生永世七冠の偉大さを語るのは、ここからが本番です。ここのネタの本筋、永世という称号の意味。これが肝心。永世とはつまり、伝説の~とか、偉大なる~とかの意味を表すコトバ。この「永」という漢字を使うのは時間軸を表してるんよね。

 

つまり、「1回でも結構大変なタイトルを、もし、万一、何回も獲った人が出てきたら、それはごっつぃ偉大なことやから、その人には特別に「永世」という称号をつけますわ!」と、主催者が言っていると思ってください。逆に言えば「まぁ、そんなことは滅多にないし、ほとんど無理やと思うけどね。だからこの永世という名誉のために、一回タイトル獲ったからって燃え尽きんといてね」という主催者のメッセージともいえる。

 

でもって、その「永世」の称号を貰える条件というのが、予選方式や大会運営方式と同じく各主催者が独自にいろいろ設定していて、それなりのハードルの高さなんですわ。その条件とは下記の通り。条件の「~以上」というのは、タイトルを獲った年数(将棋の世界では「期」って表現してます)。

 

名人戦 通算5期以上

竜王戦 通算7期以上 もしくは 5期連続

王位戦 通算10期以上 もしくは 5期連続

王座戦 通算10期以上 もしくは 5期連続

棋王戦 5期連続

王将戦 通算10期以上

棋聖線 通算5期以上

どうよ?このエゲツナサ。これを羽生永世七冠はクリアしたわけ。つまりどれだけ強くても、どれだけ最強でも、最短・最速でも10年かかるんよね(王将戦が一番時間がかかる・・・)

 

上で説明したように、将棋のタイトルが7つあるという事は、10年間で70個のタイトルが用意されるわけです。なので、この70個のタイトルを全員一人づつに割り振ったとしても、10年間で70人しかタイトルホルダーはいないということなんですが、なんと!この10年間の70個のタイトルのうち、羽生永世七冠が35個も獲ってるんよ。エゲツナイ。いやホンマにエゲツナイっす。

 

さらにダメ押しでこの偉大さを説明すると、将棋連盟が発足してプロ棋士は今まで312人存在します。で、その312人の中で一つでもタイトルを獲ったプロ棋士は38人!たった38人しかタイトルに手が届いていない。つまり残りの88%ものプロ棋士はノータイトルで引退したり、今もプロ生活を送っているわけ。

 

プロ棋士になって1つか2つのタイトルを持つことだけでも充分に値打ちのあることであり名誉なことであるわけなのがこれで解るでしょう。それが永世となると・・・たった4人しかおらんのです。

 

大山康晴・中原誠・羽生善治・渡辺明。この4人。

 

もちろんこの中で全部の永世を獲得したのが羽生永世七冠というわけなんやけど、残りの3人は、どれかの永世は獲ったけれど、他のタイトル戦では決勝にさえ出ていない(つまり当然一回もそのタイトルを獲っていないということやね)というありさま。全部の大会に勝って、それを全部の永世条件をクリアするだけ勝つというのが、どれだけ長い道程か。考えただけでも「めまい」やね。「とき~は~、わたしにぃ~」なんて口ずさんでもええよ。

 

そらもう将棋界にもし「独占禁止法」というものがあれば、羽生善治という男は確実に有罪を宣告されるでしょうな(苦笑)。

 

で、最後にその羽生という人間。これが「有罪」なんてフレーズとはそれこそ全くほど遠い、メチャメチャの人格者。これだけ勝っているのに傲慢さは微塵もなく、その姿勢と生き方はそれこそ「神」の域に達しているかのよう。

 

羽生語録を読んだり見たりするだけで、何か心が洗われるようだし、彼のインタビューや特集番組を見るたびに、生き方について、モノの考え方について、この世の中をナナメにしか見ない、裏を読むことしか考えない「読裏クラブ」さえも考え直してしまう。彼の獲得した永世七冠というエゲツナサ以上に、この人格がエゲツナイ。

 

400年に1人の天才、いや500年か600年に1人かもしれないと、将棋界では言われている天才、羽生善治という人間が生きている時代に、この世に生まれて生きているという事自体が凄く幸せなことだと思う。そんな存在ですわ。

 

最後にここまでお読みいただいた賢明なる読者諸君で、もしもし「羽生善治」という人間をあまり知らないという人、名前は聞いたことがあるけどあんまりその中身は知らんなぁ~・・・という人。悪いことは言わへんし、騙されたと思って、羽生善治という男に触れてみてくださいな。『清々しい気持ちと凛とした気持ちで明日から勇気をもって謙虚に生きていこう!』という気持ちになることを、この読裏が請負いますよ!

 

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