広告は何回目から嫌になる?ザイオンス効果はどうなってるの?
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最終更新日:2017/12/30
ビジネス
最近、仕事がらみである商品の事をかなり詳しく調べています。
当然今の時代、調べるのはPCであり、スマートフォンがその道具となります。調べたいことが即時に目の前に出てくるわけですし、調べたい事をいろいろな角度から(つまりいろいろな検索ワードを使って)調べられる。まさしくネット時代になって調べものの量やスピードは昔にくらべてはるかに大きくなりました。
ただ、そこで、かなり目立った現象が発生しています。この現象、想像つきますか?はい。そうです。おんなじ広告が「これでもか」というぐらいに出てくるわけです。
「あなたはこれに興味があるのでしょう?検索の行動を見ると明らかですよ!さて、このバナーをクリックして、早くこの商品を買ったらどうですか?」と言わんばかりの頻度で目の前に同じ会社の同じ商品の広告が出てきます。
<Sponsered Link>
実はこの現象、今ではもう常識です。広告の専門用語でいう「リタゲ広告」ですね。一度接触したワードやサイトに興味があるターゲットとして私はロックオンされているわけです。厳密にはキャッシュという私が残している痕跡を追跡されているわけですが。
ただ、これ、かなり「目障り」になってます。「またか?」というのが素直な感情。もっと言うと「もう見たくないよ!」という感情の方が強くなってきて、最後にはこの広告に載っている商品自体に嫌悪感さえ覚えるようになってきました。はっきり言って逆効果です。
広告の世界ではセオリーとして「ザイオンス効果」というものがあります。いわゆる「接触回数が増えれば増えるほど、消費者はその対象物に好感を覚える」というもの。今まではそうでした。例えば、最初は何も思わなかったTVのCM。それが何度も見ていくうちに、その映像や音楽、出演するタレントに親近感を覚えるようになって、挙句そのCMシリーズを楽しみにしていたり、そのCMシリーズと共にその世界観を共有するようになったり。最近では携帯キャリアのあの会社の「三太郎」シリーズなんかが有名です。
まさに「ザイオンス効果」。それはいまだに生きていますザイオンス効果はその回数が重要だというのが鉄則。つまり同じCMを1時間流されて見るよりも、3分ずつ20回視聴する方がその好感度は高くなります。
しかし、どう考えてもリタゲ広告はこの法則とは逆の感情を呼び起こします。
そこである調査機関がこの件でアンケートを取りました。その質問はズバリ「広告は1日何回まで許されますか?」というもの。学術的には「消費者側から見た広告との接触回数別の好感度」調査。そこで出た結果はかなり興味深いものでした。
結果は意外にも84%もの人が「1日3回以上で同じ広告を目にするとマイナスの印象を受ける」というもの。これは先のザイオンス効果とまったく逆行します。
また個別意見としも「印象に残り過ぎる広告だったり、派手気味な広告であればあるほど嫌気がさします」とか「単純に見る回数よりも見せ方の問題。バナーの位置がサイトを見るのに邪魔な場所だと、1回でも不快に思う」とか、今の現代人はかなり短気な傾向にあるようです。
広告を出す方は好感度が重要。できるだけ好感度を上げるためにはその露出頻度を上げるのが鉄則。しかしその頻度がかなり低い時点でマイナスイメージを持つポイントメイクとなります。広告の頻度が少なければその効果は出ない。でも頻度を上げればその効果は逆に働く。
現代の広告は非常に難しい時代に突入したように思います。だからこそ、頻度に頼らず、その内容、コンテンツがより吟味される、そんな時代だということなのでしょう。
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