変わらないデザインで60年。スーパーカブの偉大さ
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最終更新日:2017/12/29
ビジネス
2017年10月、あのホンダのスーパーカブが、熊本工場の出荷にて通算台数1億台を突破したようです。
一言で1億といっても想像がつかない数ですし、それが日用品や最寄り品ならともかくも、一人一台というテレビやラジオならともかくも、一番使っているヘビーユーザー層が「蕎麦屋」とか「丼屋」とか「寿司屋」とかのあのスーパーカブ。
その偉大さは、まさにスーパー級です。素直に素晴らしいと思いますし、素直に脱帽、リスペクトに値する1億台突破です。
そして、台数以上に素晴らしく、偉大なのが「60年間、基本デザインを変えていない」という事実です。人は移り気であり、新しいモノ好き。だからついつい「売らんがな」のために、作り手(メーカーさん)は、今までのモデルを一気に捨てて「フルモデルチェンジ」などの宣伝文句とともに、過去の良き伝統やコンセプトを、フォルムやスタイルを変えて世に登場させようとします。
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それをこの「スーパーカブ」は真正面から否定し、60年、ほぼ同じスタイル、同じデザインで製造を続けました。
もちろんそれには当初からの非常に卓越したデザイン感や、マーケットに受け入れられるようなスペックの工夫が施されていました。
例えば、運転する両手の自由度を飛躍的にアップさせた「左足でペダルを踏む変速クラッチ」
例えば、当時は全道路の1割しか舗装されていなかった日本の道路インフラを鑑みての馬力の強化を至上命題としたエンジンの搭載と、それをスムーズに発揮させるための当時としては異例の大きさのタイヤの開発。
女性がスカートのままでも乗り降りが楽にできるようにしたデザイン。エンジンも「むき出し」には敢えてせずに、足元の泥よけで囲い、そして前から見たときの「スーパーカブ」を「スーパーカブ」にするあの風防。
まさに、長く愛される理由がそこかしこに散りばめられた名車です。
市場のニーズをとことん追求し、妥協を許さず、そして生産者の誇りと技術で、圧倒的な完成度を当時から誇っていたからこその名車です。
「変わらないのは、変える必要がないから」というコピーをどこかの宣伝で見たことがありますが、まさにスーパーカブこそ、このコピーを体現したプロダクトなんだろうと思いますね。
とは、言いながら・・・。まず僕は「カブ」には乗らへんけど。だって、出前持ちに間違われるし!(爆)
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